2012年5月4日金曜日

ヴェロキラプトル (2012)

ヴェロキラプトル モンゴリエンシス
 Velociraptor mongoliensis 
作品サイズ 全長50㎝
縮尺 約1/4

前肢の羽根は、腕の部分に現生の鳥類の風切羽根の根元に似た突起が見つかっている事から、それを元に風切羽根状の羽根を付けています。これほど綺麗な羽根だったかどうかは分らないのですが、ディスプレイに使っていた、という想定にしています。ダチョウのように、もっとバサバサの状態だったかも、とも想像していますが。

羽毛恐竜の場合、最近では、シッポの先にも尾羽が付けられる事も多く 見られますが、今回は他の恐竜の尾骨の研究を参考に、尾羽はない表現にしてみました。


主な参考資料

・前肢の風切羽根について

 "Feather Quill Knobs in the Dinosaur Velociraptor"
  Alan H. Turner, Peter J. Makovicky and Mark A. Norell. Science  (2007)

"COMPARISON OF FORELIMB FUNCTION BETWEEN DEINONYCHUS AND BAMBIRAPTOR (THEROPODA: DROMAEOSAURIDAE)"
PHIL SENTER
Journal of Vertebrate Paleontology (2006)

・尾羽・尾骨について
"New Oviraptorosaur (Dinosauria, Theropoda) From Mongolia: The First Dinosaur With A Pygostyle". 
 Barsbold, R., Osmólska, H., Watabe, M., Currie, P.J., and Tsogtbaatar, K. (2000)
Acta Palaeontologica Polonica, 
 (Hirokazu Tokugawa  恐竜・古生物立体造形ギャラリー)


2012年4月21日土曜日

エウヘロプス(2011) Euhelopus

 エウヘロプス ツダンスキィ (2011年作品)
Euhelopus zdanskyi

作品サイズ 全長約55cm
縮尺約 1/20














スウェーデン・ウプサラ大学・進化学博物館からの依頼で製作したものです。
現在は、進化学博物館にてエウヘロプス標本と共に展示されています。 ここで紹介の画像も、その展示の様子を送って頂いたものです。

主な参考資料 

エウヘロプスに関して
  ・"Redescription and reassessment of the phylogenetic affinities of Euhelopus zdanskyi (Dinosauria:Sauropoda) from the Early Cretaceous of China".
Wilson, Jeffrey A.; and Upchurch, Paul

・"Dinosaurian remains from Mengyin, Shantung"
C. C. Young.


竜脚類の首に関して
 ・"Reconstruction of the Thoracic Epaxial Musculature of Diplodocid and Dicraeosaurid Sauropods"
Daniela Schwarz-Wings

左右の歩幅等に関して
・"BURLY GAITS: CENTERS OF MASS, STABILITY, AND THE TRACKWAYS OF SAUROPOD DINOSAURS"
DONALD M. HENDERSON

頭部の角度に関して
・"Structural Extremes in a Cretaceous Dinosaur"
Sereno PC, Wilson JA, Witmer LM, Whitlock JA, Maga A, et al.

前後肢の爪の数等に関して
・「THE SAUROPODS」"Steps in Understanding Sauropod Biology" Joanna L.Wright

その他
 ・「THE DINOSAURIA」(second edition)

・「アジア恐竜時代の幕開け-巨大恐竜の進化-」
福井県立恐竜博物館 2011年特別展図録

 (Hirokazu Tokugawa  恐竜・古生物立体造形ギャラリー)

2012年4月18日水曜日

エウロパサウルス Europasaurus

エウロパサウルス ホルゲリ (2011年作品)
Europasaurus holgeri

作品サイズ 全長60cm
スケール 約1/10
















ドイツのDinosaurier-Park Muenchehagenで募集されたエウロパサウルス・アートコンテストで選外佳作(Honorable Mentions)になった作品です。
エウロパサウルスは、大型竜脚類のブラキオサウルスに近縁(地理的にはギラッファティタン(ブラキオサウルス)・ブランカイにより近縁かな?)と言われていますが、当時の島に生息していたため島嶼性、つまり大人でも全長6m程度と、小型化していた種類と考えられています。


 (「世界最大の恐竜博2006」にて撮影)

何気に苦労したのがオマケの翼竜。エウロパサウルスと全く同じ地層からははっきりと種類や姿が断定出来る翼竜は出ていないようだったので、なるべく近い時期・地域から発見されている翼竜を調べる事になります。で、今回のズンガリプテルス型の姿を選んだのですが、ここで間違えてたらヤバいな~とエウロパサウルス本体の事よりも不安(笑)。結果的にはコンテスト上位陣も同じような選択をしており、安心しました。というか、上位陣はそれくらいの考証は基本というレベルです。

本当はベースももっと凝りたかったんですが、時間とドイツへの作品輸送のための強度を考えると難しかったんですよね。残念です。このコンテストを通じて、ドイツの古生物研究者さんの知り合いも増えましたし、一時的とは言え、ドイツに自分の作品が置かれていた、というのは嬉しいものです。

 :
主な参考資料

エウロパサウルスについて
The 3D skeleton exhibition at "The Gigantic Dinosaur Expo 2006" in Japan, and the official guide book.
"Bone histology indicates insular dwarfism in a new Late Jurassic sauropod dinosaur" Sander, P. M., Mateus, O., Laven, T., Knötschke, N.

背中の筋肉
"Reconstruction of the Thoracic Epaxial Musculature of Diplodocid and Dicraeosaurid Sauropods"
Daniela Schwarz-Wings

前後肢の爪の数、形状等
"steps in understanding sauropod" joanna L. Wright

その他
"Pneumaticity and soft−tissue reconstructions in the neck of diplodocid and dicraeosaurid sauropods"
DANIELA SCHWARZ, EBERHARD FREY, and CHRISTIAN A. MEYER

翼竜
"The first dsungaripterid pterosaur from the Kimmeridgian of Germany and the biomechanics of pterosaur long bones" MICHAEL FASTNACHT


(Hirokazu Tokugawa  恐竜・古生物立体造形ギャラリー)

2012年4月17日火曜日

スミロドン Smilodon (2012)

スミロドン・ファタリス
Smilodon fatalis

作品サイズ 約22cm  
縮尺 約1/10
















「サーベルタイガー」や「剣歯虎」という呼び名で有名ですが、ネコ科ではあるものの、現生のトラやライオンが属するヒョウ(パンテラ)属とは別のスミロドン属の動物です。
スミロドン属の中にも複数の種類があり、 今回はファタリス種の骨格を元にしています。他には、より大型のスミロドン・ポプラトル等がいます。











一見すると、トラやライオンに大きな牙が生えているだけのように見えますが、頭骨の形状や体のプロポーション、シッポの長さ等、トラやライオンとの違いがあります。今回も、その微妙な違い、そして牙以外のスミロドンらしさの表現を目指しました。
模様に関しては、大型ネコ科のほとんどが模様を持っています。ライオンも、本来模様を持っていた先祖から進化の過程で模様を失った、と考えられているようです。その先祖の頃の模様の名残なのか、ライオンの子供の頃には薄い模様があります。今回は、ライオンほどでは無いものの,模様は少なめだったのでは、と想像し、 ライオンの子供の模様を参考にしました。




















製作途中の画像>こちら

主な参考資料
・「The Big Cats」 
・「新版 絶滅哺乳類図鑑」


(Hirokazu Tokugawa  恐竜・古生物立体造形ギャラリー)

2011年12月23日金曜日

デスモスチルス Desmostylus (2010)

デスモスチルス
Desmostylus

作品サイズ 15cm(成体)
縮尺 1/20
デスモスチルスを始めとする束柱目の動物は、保存状態の良い化石は日本に集中しており、日本を代表する古脊椎動物の一つ。また、その特徴的な骨格から復元については様々な説が提唱されており、謎の海獣、とも言われています。
この作品は、束柱目研究で著名な犬塚則久氏の監修の元に、沼田町化石博物館の展示用に製作したものです。 成長過程での頭骨の形状の変化の研究もあり、幼体の造型にはその研究も参考にしています。


こちらは、海中を遊泳中の姿。


























(Hirokazu Tokugawa  恐竜・古生物立体造形ギャラリー)

コペプテリクス(プロトプテルム類)(2011)

コペプテリクス
Copepteryx














コペプテリクスはプロトプテルム類の中の代表的な種類です。プロトプテルム類は世界でも、特に日本で多くの化石が発見されています。
プロトプテルム類は「ペンギンモドキ」と呼ばれる事が多く、またペンギンに近い姿に復元される事も多いのですが、この模型では京都大学・松岡 廣繁氏の監修の元、ペリカン目の鳥としての要素を盛り込んだ復元にしています。この作品は2011年の岐阜県瑞浪市化石博物館の特別展の展示に使用されました。


(Hirokazu Tokugawa  恐竜・古生物立体造形ギャラリー)

マチカネワニ Toyotamaphimeia(2010)

マチカネワニ
Toyotamaphimeia machikanensis
作品サイズ 40cm
縮尺 1/18

マチカネワニという名称は和名、学名はトヨタマヒメイア・マチカネンシスです。日本の大阪府・豊中市の待兼山で発見された化石は、大型のワニ化石としては世界的にも珍しい保存状態の良さです。

マチカネワニが一般的な現生のワニの姿と一番違う点は、背中に並ぶ装甲板・骨鱗板の形状です。現生のワニの骨鱗板は一つ一つが円形もしくは方形で、かつ真ん中が凸状になっています。これがワニの背中がゴツゴツした状態に見える理由。この骨鱗板が左右に3列ずつ並びます。
 国立科学博物館にて撮影のイリエワニの剥製。
背中の骨鱗板の形状と数が分かります。

一方、マチカネワニの骨鱗板は横に長く、また突起も無い「小判状」です。また、これが左右2列ずつ並ぶ点も現生のワニとの違いです。恐らく生きていた頃は、現生のワニに比べ凹凸の目立たない、のっぺりとした背中に見えたと想像されます>参考
余談ですが、豊中で販売されているマチカネワニサブレーが、偶然なのか、このマチカネワニの骨鱗板によく似ているのです。

その他、マチカネワニについての詳細は、『巨大絶滅動物マチカネワニ化石-恐竜時代を生き延びた日本のワニたち』(小林快次・江口太郎著:大阪大学出版会)を。
 また、 大阪大学総合学術博物館には、このマチカネワニの実物化石、そしてレプリカ組み立て骨格が展示されています。この作品も、現在そのマチカネワニ展示室の一角に常設展示されています。

(Hirokazu Tokugawa  恐竜・古生物立体造形ギャラリー)