2015年8月4日火曜日

パラフィソルニス(恐鳥)(2015)

パラフィソルニス・ブラシリエンシス
Paraphysornis brasiliensis
作品サイズ 頭頂高 約23cm(ベース部除く)
縮尺 約1/10

いわゆる「恐鳥」と言われる、新生代に現れた大型の地上性鳥類の1種です。代表的なのはフォルスラコス属(私の子供の頃はフォロラコスでしたが、現在は無効名にされているようです)ですが、より大型で復元骨格まである種となると、このパラフィソルニスになってしまいます。大型の恐鳥というとケレンケンやブロントルニスはパラフィソルニス以上の大きさと推測されていますが、頭骨等のごく一部しか発見されていないためか、まだ全身骨格の復元はされていないようです。といっても、パラフィソルニスもどれくらいの化石を元に骨格が復元されたのかは判りませんでしたが。


前肢の羽根についてですが、復元骨格を見る限りパラフィソルニスやその他の中〜大型の恐鳥の仲間の前肢の骨は、かなり小さく復元されています。現在の大型地上性鳥類と比べると、ダチョウやレアのような飛べなくとも風切羽根が残っているものよりも、ヒクイドリやエミューに近い小ささで、この小ささでは体の羽毛にほぼ埋もれていたのでは、と考えてみました。今回は風切羽根は表現せず、ヒクイドリを参考に翼の痕跡として羽軸のみを表現しています。同種・もしくは異性へのアピールは、前肢の羽根を広げるのではなく、大きなクチバシを使ったのでは、とも想像しています。


主な参考資料
・Alvarenga, Herculano M. F. & Hofling, Elizabeth (2003): Systematic revision of the Phorusrhacidae (Aves: Ralliformes). Papeis Avulsos de Zoologia 43(4): 55-91
 

・「Extinct Animals An Encyclopedia of Species that Have Disappeared during Human History」Ross Piper
 

「Magnificent Mihirungs」
オーストラリアの絶滅した大型の飛べない鳥・ドロモルニスに関する本。ドロモルニス類以外の絶滅した大型地上性鳥類に関する記述もあり、参考になります。

 

・「南米に君臨した巨大肉食鳥」Larry G.Marshal
別冊日経サイエンス「地球を支配した恐竜と巨大生物たち」収録