2011年9月26日月曜日

アルケロン Archelon (2006年作品)

アルケロン イスキュルス
Archelon ischyros

作品サイズ 全長 20cm
スケール 1/20





2011年9月16日金曜日

ゴンフォテリウム(2011年作品)


ゴンフォテリウム 
Gomphotherium
肩高 22cm
スケール 約1/15



ゴンフォテリウムは、種類によってプロポーションに大きな違いがあります(>参考その1その2)。今回は、ドイツ・ゼンケンベルグ博物館に展示されている全身骨格と、その元になった標本のデータを参考に模型を製作しました。ゴンフォテリウムの中でも、大型かつ足の長いプロポーションが特徴的です。

2011年 ゼンケンベルグ博物館にて撮影


化石種の象の復元と言えば、まず難しいとされるのは鼻の長さと耳の大きさ、形状です。鼻に関しては、頭を下げた(俯いた)時に鼻の先が地面に届く長さにしています。耳に関しては、現在のアフリカゾウのような拓けたサバンナではなく、森林が主な生息環境だったのでは、と想像し、耳は小さめにしています。森林性が強ければ、アフリカゾウのように放熱のための大きな耳はあまり必要ないのでは、と考えたためです。

また、地味ですが復元が難しいのが、鼻の先の形状です。鼻の先は現生のアフリカゾウとアジアゾウでも形状が違います。今回は突起が2つあるアフリカゾウタイプにしていますが、これは全くの想像です。




耳や鼻と共に、ゴンフォテリウムのような、下顎が長く伸びている化石象の復元で難しいのは、 口の粘膜面、つまり口を閉じた時に見えなくなる口の中の形状です。下顎の先、先に突き出た牙の根元までが粘膜面、という復元も良く見られますが、今回は上 顎の牙の根元あたりに対応する部分が粘膜面、という表現にしました。
また、その下顎を覆う皮膚も、皮膚を突き破るように先の牙が生えるのでなく、あくまで口の中から牙が伸びている、という事を示すため、皮膚が左右から下顎の正中に向かって包むように合わさる、という表現にしています。




















主な参考資料
" Elephantoidea (Proboscidea, Mammalia) aus dem Mittel- und Obermiozän der Oberen Süßwassermolasse Süddeutschlands: Odontologie und Osteologie"
GÖHLICH, Ursula Bettina

"East African Mammals: An Atlas of Evolution in Africa, Volume 3, Part B"
Jonathan Kingdon


(Hirokazu Tokugawa  恐竜・古生物立体造形ギャラリー)