2012年4月21日土曜日

エウヘロプス(2011) Euhelopus

 エウヘロプス ツダンスキィ (2011年作品)
Euhelopus zdanskyi

作品サイズ 全長約55cm
縮尺約 1/20














スウェーデン・ウプサラ大学・進化学博物館からの依頼で製作したものです。
現在は、進化学博物館にてエウヘロプス標本と共に展示されています。 ここで紹介の画像も、その展示の様子を送って頂いたものです。

主な参考資料 

エウヘロプスに関して
  ・"Redescription and reassessment of the phylogenetic affinities of Euhelopus zdanskyi (Dinosauria:Sauropoda) from the Early Cretaceous of China".
Wilson, Jeffrey A.; and Upchurch, Paul

・"Dinosaurian remains from Mengyin, Shantung"
C. C. Young.


竜脚類の首に関して
 ・"Reconstruction of the Thoracic Epaxial Musculature of Diplodocid and Dicraeosaurid Sauropods"
Daniela Schwarz-Wings

左右の歩幅等に関して
・"BURLY GAITS: CENTERS OF MASS, STABILITY, AND THE TRACKWAYS OF SAUROPOD DINOSAURS"
DONALD M. HENDERSON

頭部の角度に関して
・"Structural Extremes in a Cretaceous Dinosaur"
Sereno PC, Wilson JA, Witmer LM, Whitlock JA, Maga A, et al.

前後肢の爪の数等に関して
・「THE SAUROPODS」"Steps in Understanding Sauropod Biology" Joanna L.Wright

その他
 ・「THE DINOSAURIA」(second edition)

・「アジア恐竜時代の幕開け-巨大恐竜の進化-」
福井県立恐竜博物館 2011年特別展図録

 (Hirokazu Tokugawa  恐竜・古生物立体造形ギャラリー)

2012年4月18日水曜日

エウロパサウルス Europasaurus

エウロパサウルス ホルゲリ (2011年作品)
Europasaurus holgeri

作品サイズ 全長60cm
スケール 約1/10
















ドイツのDinosaurier-Park Muenchehagenで募集されたエウロパサウルス・アートコンテストで選外佳作(Honorable Mentions)になった作品です。
エウロパサウルスは、大型竜脚類のブラキオサウルスに近縁(地理的にはギラッファティタン(ブラキオサウルス)・ブランカイにより近縁かな?)と言われていますが、当時の島に生息していたため島嶼性、つまり大人でも全長6m程度と、小型化していた種類と考えられています。


 (「世界最大の恐竜博2006」にて撮影)

何気に苦労したのがオマケの翼竜。エウロパサウルスと全く同じ地層からははっきりと種類や姿が断定出来る翼竜は出ていないようだったので、なるべく近い時期・地域から発見されている翼竜を調べる事になります。で、今回のズンガリプテルス型の姿を選んだのですが、ここで間違えてたらヤバいな~とエウロパサウルス本体の事よりも不安(笑)。結果的にはコンテスト上位陣も同じような選択をしており、安心しました。というか、上位陣はそれくらいの考証は基本というレベルです。

本当はベースももっと凝りたかったんですが、時間とドイツへの作品輸送のための強度を考えると難しかったんですよね。残念です。このコンテストを通じて、ドイツの古生物研究者さんの知り合いも増えましたし、一時的とは言え、ドイツに自分の作品が置かれていた、というのは嬉しいものです。

 :
主な参考資料

エウロパサウルスについて
The 3D skeleton exhibition at "The Gigantic Dinosaur Expo 2006" in Japan, and the official guide book.
"Bone histology indicates insular dwarfism in a new Late Jurassic sauropod dinosaur" Sander, P. M., Mateus, O., Laven, T., Knötschke, N.

背中の筋肉
"Reconstruction of the Thoracic Epaxial Musculature of Diplodocid and Dicraeosaurid Sauropods"
Daniela Schwarz-Wings

前後肢の爪の数、形状等
"steps in understanding sauropod" joanna L. Wright

その他
"Pneumaticity and soft−tissue reconstructions in the neck of diplodocid and dicraeosaurid sauropods"
DANIELA SCHWARZ, EBERHARD FREY, and CHRISTIAN A. MEYER

翼竜
"The first dsungaripterid pterosaur from the Kimmeridgian of Germany and the biomechanics of pterosaur long bones" MICHAEL FASTNACHT


(Hirokazu Tokugawa  恐竜・古生物立体造形ギャラリー)

2012年4月17日火曜日

スミロドン Smilodon (2012)

スミロドン・ファタリス
Smilodon fatalis

作品サイズ 約22cm  
縮尺 約1/10
















「サーベルタイガー」や「剣歯虎」という呼び名で有名ですが、ネコ科ではあるものの、現生のトラやライオンが属するヒョウ(パンテラ)属とは別のスミロドン属の動物です。
スミロドン属の中にも複数の種類があり、 今回はファタリス種の骨格を元にしています。他には、より大型のスミロドン・ポプラトル等がいます。











一見すると、トラやライオンに大きな牙が生えているだけのように見えますが、頭骨の形状や体のプロポーション、シッポの長さ等、トラやライオンとの違いがあります。今回も、その微妙な違い、そして牙以外のスミロドンらしさの表現を目指しました。
模様に関しては、大型ネコ科のほとんどが模様を持っています。ライオンも、本来模様を持っていた先祖から進化の過程で模様を失った、と考えられているようです。その先祖の頃の模様の名残なのか、ライオンの子供の頃には薄い模様があります。今回は、ライオンほどでは無いものの,模様は少なめだったのでは、と想像し、 ライオンの子供の模様を参考にしました。




















製作途中の画像>こちら

主な参考資料
・「The Big Cats」 
・「新版 絶滅哺乳類図鑑」


(Hirokazu Tokugawa  恐竜・古生物立体造形ギャラリー)